カール・ツェルニーCarl Czerny (ドイツ語表記)は、
オーストリアの作曲家・ピアノ教師として名高く、数多くの優れた教則本を後世に残しました。
1791年2月21日ー1857年7月15日。

祖先はボヘミア出身のスラブ人、苗字の綴りは元はチェコ語で「Černy」チェルニー
意味は「黒」らしいです。

ツェルニーの練習曲集は本当に数多く出版されていて、
第1過程練習曲、リトルピアニスト、ツェルニー100番練習曲、110番練習曲、
左手のための練習曲、8小節の練習曲、
30番練習曲、40番練習曲、50番練習曲、60番練習曲・・・
という具合で徐々に難しくなります。

かつては、なんてつまらない曲をよくもこんなにたくさん書いたものだ、
とつくづく思ったものです。
しかし、音楽的には単純でも構成はきっちりしていて、
和声進行も規定のパターンをお手本通りに標準的に使ってあります。

あまりに感動的で美しすぎる曲では、曲の作りを端的に捉える事に意識がいきにくいので、
演奏技術の習得と、一見当たり前の音楽構成や和声の規定パターンの勉強には、
なかなか都合が良いものです。

我々は歴史に残る大天才ではないのですから、
物凄く感動してしまう曲からでは掴めない事もあるのです。

また、結構単純な動きでも、無駄のない良いテクニックで、良い音質で、
良いリズムで、良い流れで、伸びやかに演奏できるならば、
なかなか気持ちよくて楽しいものです。

つまり、ツェルニーが自由自在に弾けるならば、
生きたテクニックとして表現できる準備が出来てきていると思います。