先日、オペラのハイライトのピアノ伴奏をしてきました。
本番は昼の部と夜の部の2本。
演目は「トスカ」と「アドリアーナ・ルクヴルール」。

朝から開場時間ギリギリまで、昼夜全演目を休みなくリハーサル。
本番で集中力が切れないよう加減をして、
必要なところだけは押さえようと思ったが、
手抜きをすると必要なところにもスイッチが入らない。

感覚が狂ったままリハーサルが終わってしまい・・・
細かな打合せや確認をしたい気持ちを振り切りながらスケジュールをこなすしかなく、あっという間に開場時間となりました。

開場時間から本番までの僅か20分で着替えと昼食。
コンビニのおにぎりを味わいもせずに、がっつきました(笑)

本番は生きた舞台。何が起きるかわからない。
頭考えるより、本能的にその場の流れに対応すべし。
私自身は、感覚が冴えてさえいれば、ハプニングに対する機転は利くと思う。。。
さて、自分の感覚を信じよう!メイク直しの間もなく本番突入。

リハーサルの腑抜けによってスイッチが入り、気合十分、満ちてきました。
まあ、勿論細かな問題は多々ありましたが、
本番はそれなりのものが出せたように思います。

何も気づかないで伴奏していたらそのまま普通に通過してしまう箇所でも、
登場人物の心情の変化や、セリフにはない内面の変化などが細かく描写されていたりします。
そんな箇所を発見する度に、その作品がぐっと自分の呼吸や身体と密着してくる感じがします。

きっと、まだまだ発掘すべき宝が残っているとは思いますが、
こうして一定期間これらの作品に取り組んできて、
少なくても今までの中で最も作品と緊密になれた時に、
本番がたったの一日で終了してしまいます。

大雑把にしか理解していなかったストーリーの読み直しから始めて、
少しずつ作品に近づき、徐々に身体の一部に入りこんできたオペラとのお別れ。

またこの作品を演奏する機会がいつか訪れるとしたら、
きっとまた新たな発見があって、もっと煌めいた世界を演出できる事でしょう。

ピアノソロ、室内楽など他の楽曲の本番を終えた後も寂しさを感じますが、
オペラは、やはりずっとずっと生々しく、強烈に具体的に映像が頭に残ります。
例え、非現実的なストーリーであっても、やはりドラマです。

寂しさや虚脱感からなかなか抜け出せないのです。。。。。