ピアノの弦が切れていまして、先日張り替えて頂きました。

普段お願いしている調律師さんは遠方にお住まいで、ご自身で工房を持ってチェンバロ製作もされている方です。
弦の張り替えだけ習って自分でやりたい、と思い立ち、相談しましたら、
「そう簡単なものではなく、バランスが崩れる恐れもあるから、ピアノのコンディションを考えたらお薦めできない。でも、張り替えた弦のピッチ調整はできたら便利だから、チューニングハンマーを持っていると良いですね。」
との事でした。
なので、弦の張り替えはささっと諦めて、お知り合いの東京の調律師さんを紹介頂きました。
そして、Yahoo!オークションで、ヤマハ製の新品同様の中古品のチューニングハンマーを落札。

弦を張り替えてもらった日には落札商品は間に合いませんでしたが、微調整の方法の導入編の手ほどきをお願いしました。
張力を上げてピッチを上げて直した時にハンマーをそのまま外すと、弦にねじれがあった場合は狂ってしまう事がある、など、色々と興味深い事を教えてくださいました。

チューニングハンマーは、本日届きました。
本当に新品みたいで、傷一つないピカピカです。ズシリと重みがあります。
早速、張り替えた弦は下がり、高速のうねり音が襲ってきていましたので、3本の弦のピッチを揃える微調整に挑戦。
僅か1本の弦でも、結構エネルギーを使います。
うねりがほぼなくなっても、あくまでも応急処置です。好きな音色に整える事は、魔法のように遠い世界。

でも、僅かでも自分で手を入れられたら、楽器への愛情も大きくなっていきそうです。楽器の調整を完全に他人任せにする奏者って、ピアニストぐらいですよね~これでは、ちょっと無責任な気も致します(^^;)
最低限の調整は、音大で指導があっても良いのになぁ~と思います。そうはいかないほど、調律は難しいのでしょうけれど、少なくとも楽器の仕組みについては、もっともっと知りたいです。

私の行った3本のピッチ合わせ作業は慣れれば簡単に出来る作業かとは思いますが、ハンマーに圧をかけるのは腹筋を凄く使います。
構えの姿勢や重心の置き方も凄く影響します。
調律ってかなりの重労働で、永遠何時間もやり続ける調律のお仕事は本当に大変です。
必要工具も多く、大きくて重たい荷物を持ち歩かなければなりませんし。
普段、遠方からいらして下さる調律師さんは、玉のような汗を流しながらモクモクと何時間も一生懸命やって下さり、
終わった後は笑顔で「あ~楽しかった」と仰います。改めて、凄いなぁと感心するばかりです。