ただ今、この本を読み終えました。
大野和子さん著作「先生、子どもをどう育てたらいいでしょう?」

子供たちの学習塾を40年以上経営されている先生が、子育てで悩むお母さんに向けたメッセージです。
私は、お母さんとしてではなく、ピアノの先生として、子供たちの能力をより引き出していくヒントを得る為にこの本を手に取りました。

もっと上の段階の事を出来るように、と思うあまりに、子供たちに負担のかかる言葉を発してはいないか・・・これは、常々、注意が必要な事です。わかっているのについつい言ってしまう、これは、お母さん達も私も、共に有りがちな事かと思います。

一回目に弾くときは笑顔で生き生きとしているのに、十分に良い所も褒めた上でもっと素敵にするために提案をしようとすると、やる気が萎えてしまい集中できずにぐでぐでしてしまう生徒には、どう声掛けをしようか・・・
中央のド(一点ハ)の位置を何度も伝え、レッスンの時には覚えて弾いていても翌週のレッスンではいつも忘れてしまう生徒には、どう伝えようか・・・
回数だけこなしたら、内容には意識がいかない生徒にはどうアプローチしようか・・・
アイディアを此方から提案すると素晴らしく演奏できるのに、自分からはアイディアが湧かない生徒には、どう引き出そうか・・・

順調に楽しくレッスンが行えている、と思える生徒達でも、必ず、工夫すべき事がたくさんあります。
よく練習もする優秀な生徒、始めたばかりの生徒、練習する気のない生徒、どんな生徒でも真剣に向き合うと一筋縄ではいかない様々な問題を抱えていたりするものです。

突破口を見つけるアイディアは、自分が思いつく範疇だけにとどまらず、様々な達人たちの経験によるメソッドに触れ、勉強したいてものです。
この種の本は、どんどん読んでいこうと思っています。

生徒のわかるレベルに添い、出来る事を認めてあげる事からスタート、というのは、ピアノでも全く同じです。
著者の大野さんに直接お会いしたいな、という思いが湧いてくる、素晴らしいメッセージが詰まった本でした。

お母さん達と、この本の内容を共有しながら、協力体制で指導できたらいいなぁと思います。