日本音楽界の重鎮で、桐朋学園大学長を長く務めた作曲家の三善晃さんが
4日午前10時55分、心不全で死去、80歳。
悲しいニュースです。
三善晃さんの「ピアノソナタ」、「アン・ヴェール」は、
著作権の問題もありますので、演奏会では取り上げてきませんでしたが、
以前、よく演奏させていただきました。
特に「ピアノソナタ」では、受賞経験もある思い出の曲です。
初めて三善さんの作品を勉強したとき、
“デュティーユの日本バージョンみたいで魅力的”と思ったのを良く覚えています。
三善さんは実際、デュティ-ユに心酔され、多大な影響を受けられたそうです。
音楽が先に進むにつれ、内側から吸引力のようなものが湧き出てきて、
どんどんと吸い込まれていくような、そんな不思議な魅力があります。
和声も洗練されていて、情緒がありながらもどこか冷たい美しさ。
自由さもありながらアカデミック。切り込みの深い、鋭さもあります。
あくまでも私自身の、個人的な感想です。
谷川俊太郎の詩による合唱曲「クレーの絵本」も、
かつてアマチュアの混声合唱団に所属していたときに演奏しました。
谷川俊太郎の詩の世界が素晴らしく表出された、
メッセージ性が強くて、とっても面白いユニークな作品です。
武満徹さんの世界的な人気に比べると、
海外での周知度はちょっと低いようですが、
どんどん演奏されて、三善ワールドが世界に広まると良いですね。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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