ピアノが脳に良い、と多くの脳科学者の方々が唱え、近年ピアノが注目されています。今日もYahoo!ニュースでこのような内容の記事を見つけましたので紹介します。

なぜ東大生の2人に1人は「ピアノレッスン」経験者なのか~
ピアノを習うと脳に変化が~

どれだけ感覚が鋭く器用な方でも、最初からノーミスでスムーズに弾ける、という事は有り得ません。
丁寧に気長に、毎日怠らずに取り組んでいく必要のあるピアノは、本当に精神的な修行になると思います。
昨日出来るようになった事が、翌日にはまた元に戻って出来なくなっていたり、必ずしも順調に進む事ばかりではありません。
一生懸命、細部にも注意を払って練習しても、上手くなっているのかなっていないのか、わからない時もあるかと思います。必ず物事には原因がありますが、それに気づかずに気分任せで練習していては、直ぐに演奏が崩れていきます。苛々した気持ちで練習していても、効果は上がりません。
しかし、じっくりと落ち着いて向き合っていくと、必ず出来るようになるのです。一つ一つ乗り越えていくと、大きな喜びや充実感が味わえます。
最近は様々な事が便利になってきて、知りたい情報も簡単にスピーディーに手に入る時代です。その便利さの反面、苦労しなければ手に入らない事に対して、直ぐに諦めたり切れたり、気力を無くす子供たちが増えていると言われています。どんな道に進んでも、困難に出会わないという事は有り得ませんので、ピアノで培った精神力は大きく生かされる事と思います。
頻繁ではないかもしれませんが、発表会などの本番も大きな経験です。大きなホールで一人きりで、客席にいるの全ての人が一人に注目する中で、一発勝負の舞台をこなす、という場は、他のお稽古事ではなかなか無い事だと思います。普段緊張していない時には現れない潜在的な弱点も、本番を前にすると顔を出してきます。長所を伸ばす事と、目を背けたくなる短所にも逃げずに対処していく事、両方が必要です。
教える時も、生徒がどこまで受け入れられるか、よくよく観察しながら、駆け引きと忍耐が必要です。レッスン中、思うように弾けずに生徒が苛々し始める時、気持ちが深まらずに何度弾いても表面をかすめてしまう時、私も我慢大会です。でも、生徒が何かを掴んでくれた時の嬉しさは、格別なものです。