趣味からプロまでの様々な分野における伴奏合わせ、
趣味から専門的なレベルを全て含めたピアノのレッスン、
楽典のレッスン、初心者からそれなりに高度なレベルの聴音、
新曲やコールユーブンゲン等のソルフェージュ、
総合的に対応させて頂いていますが、
一番難しいのは、初心者レベルの聴音です。

何故かと言うと、上手くいかない理由がどこにあるのかを見定めるのが困難だからです。

音階や調性感がある程度ついていたら、聴音はぐ~んと楽になりますが、
その基盤がない場合、そしてその基盤を築いていく過程が、
本当に難しいです。

音がわからない理由は、本当に本当に実に様々です。
●音をしっかり聞きとっていても、音名に置き換える段階で狂っている場合、
●ある音の印象が強くて強調されて聞いてしまい、その思い込みから全く違った音に聞こえてしまっている場合
●ある音だけ過度に集中して聴いてしまい、全体のバランスを欠き、その歪から他の音が全く違ったものに聞こえてしまっている場合
●その曲の主音となる基準音がぶれてきてしまい、ずれた音を主音に感じている場合
●物差しとなる音階の感覚そのものが歪んでいる場合・・・・

また、上記の状態が少しずつブレンドして現れたり、
時には違うブレンドで現れたり・・・

その理由たる部分がみつからないと、レッスンは上手く進みません。
間違えた音を書いていた場合、「その音はこれだよ。正しい音はこれだよ。」
と、違いを伝えるだけでは、
「そうなんだ」とその時は思っても、
次回に同じような音で聴音してみたら同じような間違いをしてしまう場合が多いのです。
つまり、音感として培われてはいかない、という事です。
ある程度基盤が出来ている生徒達には、
違いを指摘するだけでも受け取れるかも知れませんが。。。

どの部分まではハッキリと聞き取れていて、
そこに何が加わったら聞き取れなくなるのか、
そのギリギリのラインを見つけなければ、積み重ならないのです。

そうなると、市販の教材だけでは上手くいきません。
昨日のレッスンの時、その場で、
そのギリギリラインの内側と外側を行き来するメロディーを咄嗟に作り、
レッスンで即使ってみたら、
ハッキリと積み重なる状態を作れた実感がありました。
生徒も、その実感を味わったようでした。

いやぁ、難解なパズルを解いたような、
超ハイレベルな知恵の輪がスッと外れたような、
そんな充足感を感じました。

これを毎回のレッスンで発揮したいものです。

この咄嗟のアイディアと推測力を働かせるには、
元気で勘が冴えていなければ、無理だと思います。

睡眠をしっかりとり、食事にも気を付けて体調管理を怠らず、
常に万全の状態で生徒を迎えたいものです。