Alexander Scriabinアレクサンドル・スクリャービン(1872年1月6日~1915年4月27日)は、ロシアの作曲家兼ピアニストです。
20代後半からニーチェの哲学に心酔し、その後神智学、ベルギーの象徴主義絵画にも傾倒していきました。
ちょうどその時期から、書かれている作品には調性がなくなっていきます。
私自身、「神智学」と聞くと「スクリャービンがハマっていった思想」という認識しかありませんでしたが、ちょっと調べてみますと、
「全ての宗教、思想、哲学、科学、芸術などの根底にある一つの普遍的な真理を追求する思想。」だそうです。
これでは作品理解には不十分なので、もう一歩。
一般的な神智学の思想は、次の三つを柱としている。
*全宇宙の根底には、一つの絶対的で人智を超えた至高の神霊や無限の霊力が存在しており、見えるものも見えないものも含めた万物の根源になっている、という思想
*普遍的な魂からの放射である人間は、その至高の神霊と同一の本質を共有しているがために初めから永遠で不滅である、という思想
*「神聖な仕事」を通じて神々の働きを実現すること ・・・・・・・・・・(Wikipediaより)
なるほど。これは作品にぐっと近づけますね。 さらに、ベルギーの象徴主義絵画をご紹介。
19世紀後半に、自然主義への運動と対抗してフランスとベルギーで起こった芸術&文学での運動です。
つまり自然主義とは相対する超自然主義の思想です。 フランスの近代の音楽の背景にも繋がってきます。
私自身、オカルト的なものへの興味は全くないのですが、
スクリャービンの音楽はちょっと狂ってきた?(失礼)頃からの作品の方が好きです。
でも、お客さんは喜ばなそう・・・と思い、敬遠してきましたが、また弾いてみたいです。
ロシアの作曲家兼ピアニスト、と言えば、ラフマニノフとスクリャービンの二人が挙がり、よく比較されます。
が、調性音楽の枠内で深い抒情性のある作品を残したラフマニノフとは、作風は全く違いますね。
手が異常に大きかったラフマニノフですが、スクリャービンは10度が届かなかったらしいです。
その癖に、こんなエチュードを書いています。きっと、スクリャービン自身が手を広げる練習の目的もあって書いたのでしょう。
因みに、好きで良く弾いたエチュードはOp.8-10。まだ調性があります。
見た目より弾きやすく、でもかなりのテクニシャンに見えるので、お得感ありますよ~(笑)
今年は、おっ!!没後100年ですね。ソナタ5番とか、エチュード、ポエム・・・また弾いてみようかな~
興味が尽きなく、なが~~~いブログになってしまいました。
最後までお付き合い下さった方、有難うございました。
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