暫く前に図書館で本を3冊借りましたが、なかなか読む暇がなく、
返却期限までに1冊(井上靖さんのエッセイ)しか読めずに、延長手続きをしました。

次に読み始めたい本が、平山郁夫著「ぶれない」です。
平山郁夫さんの美術展に何度か行きました。
シルクロードや薬師寺の絵の、深くて温かみのある色合いが頭に浮かびます。
絵を実際に見て、重みと凄みと包容力に感動した時の感覚が甦ってきます。

井上靖さんのエッセイには、子供の詩の添削をされた時の事、庭の樹をみて感じる事、
かつての汽車に別離の情感を感じた事、お父様の事、
ロシアや中東諸国・シルクロードを旅した時の事、等が綴られていました。
時には画家のようで彫刻家のような、美術的な感性をお持ちだったのですね。

偶然にもシルクロードに所縁のある画家・平山郁夫さんの著作を読む前に
井上靖さんのエッセイを読む事ができて、タイムリーでした。

「ぶれない」という題名にも凄く惹かれます。
副題に「骨太に、自分を耕す方法」と書かれていて、
本の帯には、また力強い言葉があります。

~暖かいところで育った木は脆い。寒さに耐えた幹は、年輪が堅く締まって簡単には倒れない。人間も同じだ~
~今が苦しくても、それが「何があってもぶれない強さ」をつくっているのだ~

芸大の学長をされていた平山郁夫さん。
芸大の美術科を卒業された方から、学生にはとても厳しかった事を聞きました。
作品からは温厚なイメージを持ちますが、やはり極める事への厳しさは半端なかったようです。
この本の題名や副題にも、その厳しい面が感じられます。

この本を読み、平山郁夫さんの芸術に対する姿勢や信念に触れてみたいです。